先週、『ユニバーサルデザイン旅行』と銘打って、
車イスユーザーの方、
難病疾患の方、そして旅をヘルプしてくれる
介護職さんにお声掛けして
私たちの住む京都北部の丹後を
満喫する一泊旅行に行ってきました。
丹後はけっしてバリアフリーではありません。
そこで考えたのが、介護職さんの存在です。
介護職さんに施設を飛び出していただき
介護トラベルヘルパーになっていただくのです。
ふだん業務で行っている
移乗介助、食事・入浴・排泄介助は
そのまま、旅行のヘルプができる
水準です。
伊根の舟屋をみる遊覧船を楽しんだあと、
ホテル おおみやセントラーレで
温泉入浴介助を助けてくれたのは
介護職さん。
かねてから運動学、
解剖学を知って介護の中でも
一番難しい入浴介助で
『ふろフェッショナル』になろう!
と私は言ってます。
それに共感してくれて、
今回手伝いに来てくれた2人の介護職さん
と包括支援センターの元介護職さん。
温泉での一幕。
この旅に夫婦で参加された
車いすユーザーの男性Fさん(80歳)。
この方はほとんど言葉は話せないのですが、
表情でなんでも表現されます。
このFさんを介助して、めでたく
露天風呂に一緒に入ることができました!
しかし・・・
喜んでいた顔が、
みるみる「早く上げてくれ~ 熱い!」
となり、
I君(高校時代ウェイトリフティング全国2位)と
一緒に急いで
あげる顛末がありました。
少しも気持ちよさそうでは
なく残念でした。
あとで聞くと奥様から
「この人ぬる湯なの、
私はあつ湯だけどね~」
とお言葉があり、
こういったリサーチもちゃんとしないと・・・
とふろフェッショナルを
標榜するにはまだまだだと反省。
ただ3年ほど、こんな企画をしてきて
私の確信として、車いすの方で
温泉に入りたい、という旅行者の
方はほとんど、
温泉に入れて差し上げることが
できるということです。
介護職になぜそれができるか?というと
いつも業務で
その方の身体機能をみて
どうしたらいいだろう?と
気持ちいい入浴について考えて
介助しているからです。
こう考えると
介護の知識や技術は、
施設の中だけで、完結させていたらとても
モッタイナイと思いませんか?
(私たちにとったら、いつもやってて珍しくもない)
普段の業務が、
ある方にとってはあきらめていた夢を叶える
特別な切符になるんです!!
旅行者は温泉にも入れ、
遊覧船にも乗れ、大喜び
介護職さんにとっては
自分の仕事が世間で重宝される機会に出会える
地元は観光資源に光が当たる
旅行者よし・介助者よし・世間よし
まさに幸福な「3方良し」です。
やっててよかった入浴介助!
ぜひ介護職さんは、
外にも目を向けてほしい。
施設の壁を壊して出てきてほしい。
そしてこの貴重な技術や知識に
いくばくかでも報酬がつくような
仕組みをつくりたいと
思っています。
今回、旅行に参加していただいたみなさん、
ご協力いただいたみなさんに、
心から御礼を申し上げます。
ぜひこれを読んだ
介護現場のふろフェッショナルのみなさん
地域に出て、たくさんの人を笑顔にするプロジェクト
についていろいろご意見くださいね。
あと気づきをひとつ
「ニッポンのバリアフリーは点。
点と点を結んで面にしないと!」
大阪から、この旅行に参加し、講演もしてくれた
櫻井純さん(櫻スタートラベル 代表)は
難病の治療を続けながら
障害者の方の旅行を企画するツアー会社
を運営してきたこれまでのことを
話していただきました。
旅行って
やはり、実際に行ってみないとわからない
やってみないとわからないことが
たくさんあるな~と感じました。
櫻井さんの実際の経験から
大阪の道頓堀・・・
川のほとりまでバリアフリーを謳った
大阪の道頓堀では
遠くに一カ所だけ、スロープがあるけど
それを知ってないとたどり着けないそうです。
あと
花火の特等席にいくことはできても
超満員の帰りの電車は乗れず、
車いすを介助者が押して4駅歩いたことがある・・・
なんて話をきかせていただきました。
確かにその花形スポットは
バリアフリーかもしれない。
でもそれは「点」のバリアフリーだ。
やはりバリアフリーを点と点をつなげて「面」
にしなければいけないんだなと思いました。
お読みいただきありがとうございました。
<まとめ>
・車いすユーザーの方、介護職さんと一泊旅行してきました
・露天風呂も(少し熱すぎたようですが)
喜んでいただき、介護職さんの知識と技術は地域の宝だと思いました
・旅行者よし・介助者よし・世間よし
まさに幸福な「3方良し」が生まれました。
・いくばくかの報酬がつく
介護トラベルヘルパーの制度構築をしていきたい
・ニッポンのバリアフリーは点(その花形スポット限定)。
点と点を結んで面にしないといけない