超高齢社会の対策とか、認知症ケアが喫緊の課題とか言いますが、高齢者や家族の気持ちをまずしっかり知ることが大切だとおもっています。持論ですが、高齢者の気持ちを知るにはシルバー川柳をよむことです。当事者や家族の思いが豊かに表現されています。
デザートは 昔ケーキで 今クスリ
おなかがいっぱいになるやろ、といぐらい薬飲んでいるひといます。
まじめな話をしますと多剤併用は転倒リスクも高くなるため、減薬も視野に入れてほしい。
誕生日 ローソク吹いて 立ちくらみ
高齢になってから欧米の習慣はおしつけないことです
履くだけで やせるパンツが はけないの
これさえ履けたら おなかがピタッ、お尻がシュッ となるんですが、引っ張るけど、やせるパンツがふとももで止まる、あがらない
目には蚊を 耳にはセミを 飼っている
疾患名でいうと「飛蚊症」と「耳鳴り」 重症ではなくても暮らしを妨げる症状です
フネさんは いくつでワカメ 産んだのか
ほんといくつで産んだんでしょうね。サザエさんの家系図がわかると人は大人になったといわれます。
赤ん坊 卵で産めたら あと一人
利用者さんにとくに人気の一句 たまごならあと一人産むで~とおばあさんが赤くなりながらいってくれたので大うけでした
墓 仏壇 どちらにいるのです アナタ
ほんとどっちなんでしょう 仏壇にご先祖さまは帰ってきてるので この暑い中お墓詣りはしなくても大丈夫!
と熱中症予防につかったり・・・
アーンして 昔ラブラブ 今介護
昔ラブラブだった人、そうじゃなかった人 それでも老々介護がつづいてく
共白髪 約束したのに 亭主はげ
約束はどうであろうとそこまで続いた夫婦はすばらしい・・・
離れ住む 子に病むときも無事と書き
「大丈夫」というひと多いですが、真に受けてはいけないときもありますね。
これら川柳からみえる日常の暮らし、高齢者の気持ち。崇高な理念やケアの方法論も大切ですが、ちと固くて伝わりにくい。時にはユーモアを交え、自分を笑ったり、配偶者を笑ったり・・・。『年をとっても、人生は楽しい』そんな肯定感を共有しながら関わる人が増えるといいんじゃないでしょうか?
引用:ポプラ社編集部発行 「シルバー川柳」