三好春樹さんが言っていることです。
「近々、介護職はボケにくいというデータがでるだろう」・・・と。
私もそうだろうなと思っています。
さてなぜでしょう・・・
理由はこれです。
一般の人は「老い」とぶっつけ本番で対峙しなければならない。
想像してみよう。社会的地位の高い人に、急に「老い」が訪れたらどうなるだろう・・・。
失禁して濡らしたパンツ、誰にも見られてはいけないと社長はそのパンツをタンスの中に隠してやり過ごす。
また失禁。パンツ→タンス。
また失禁。パンツ→タンス。
やがてタンスを開けると大量の汚れた下着が発見される。お父さんがおかしい!
家族はびっくり。こちらも初動の対応が過剰反応となる。認知症の問題行動、「不潔行為」と遭遇したので。
「お父さんがボケた!」
ただの老いによる生理現象だったものが、本人と周囲の反応で認知症への扉を開け放つ。
我々はいつも働きながら介護現場で、諸先輩方とお出会いしている。
「あんなふうに老いていきたいな・・・」そんな諸先輩。
「あんなふうに歳とると大変やで・・・」そんなお歴々。
もしそんな介護職が先の社長のようにある日、失禁したってそう怖くない。
自分の濡れたパンツを触り、
「あ、明日からリハパンに変えよう。
・・・量、多いからパットもはさもう」
老いに対して予行演習ができており、自分の生理的変化を冷静に受け止め、対応策まで頭に浮かぶ。
これは大きな差だと思います。
介護職はボケにくい
お給料をもらいながら、人生についても学んでいる。しかも老いも楽しめる・・・
長い目でみるとめちゃくちゃ得してるしごとなのかもしれません。介護のお仕事は。
新刊では、介護現場の理学療法士の考える視点と工夫を詰め込みました。
よかったら読んでみてくださいね。
認知症の利用者 中重度利用者 生活機能訓練」(日総研)松本健史(定価2778円+税)